おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

VT-25シングルアンプ・組立~配線

VT-25シングルアンプの組み立てを始めた。軽いものから外装パーツを取り付けていく。仮組みで確認しているから、特に問題なくパーツが付いた。

フロント部分には傷防止のため厚紙をカットして貼り付けた。真空管を挿して「観球アンプ」。

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シャーシ内。仮組みの時に+B電源の平ラグを反対向きに取り付けてしまったのを、当初の予定どおりにした。フィラメント電源を反対向きに取り付けてしまったのは御愛嬌。

Lchのアンプ部の平ラグは作成済。中央に対しミラー配置となっている。平ラグはこういうのが得意。

 

+B電源のコンデンサの頭はシャーシに対して間隔が空いている。これが正解。

コンデンサが裏蓋に触れたり飛び出さないのを確認。

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配線をスタートする。まずはAC100V配線(白)を済ませて電源トランスの電圧を確認。次に6DN7のヒーター配線(青)をする。-C1電源(立ラグ)への配線もやってしまう。更にVT-25のフィラメント電源の配線(青)をする。

真空管を挿して点灯式。VT-25のフィラメント電圧は7.0V、6DN7のヒーター電圧は6.3Vだった。

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+B電源の平ラグに配線してシャーシに取り付け結線する。電源基板周りが込み入っているが、何とかできた。

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ダミー抵抗を取り付けて電源部の動作確認を行う。

 

実測の電圧を赤字で記入。+Bは高め、+B1と-C、-C1はほぼ設計どおりだった。

SP端子の配線に手こずった。奥まったプラス側の端子に配線を2本、CRのリードを1本差し込んでハンダ付けする。ラグ端子の穴がもう少し大きければ楽だと思うのだが。

 

アンプ部基板への配線を進める。基板に取り付ける配線と、外からつなぎ込みする配線を慎重に選んだ。忘れている配線が無いように注意した。続いて真空管ソケットへ配線をハンダ付け。

 

VT-25のソケット周りのCRを取り付ける。カソードバイパスコンデンサの向きを思いつきで90度曲げたが、-C1電源のコンデンサを寝かすだけで良いことに気づいた。とりあえず付いたので良いだろう。

 

ボリュームから初段FETゲートへのシールド線を作成。

 

目の疲れと肩こりで片頭痛が出そうになったのでボルタレンを飲んだ。これ以上の作業は無理と判断して本日は終了。

 

翌日。RCA端子からボリュームへのシールド線を作成。シールド線はカットした網線が散らばるのが嫌。シールド線かんたん処理ツールみたいなのがありそうなものだが。

 

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(右クリック→新しいタブで画像を開くで拡大表示できます) これで配線とCRの取り付けはおしまい。とにかく平ラグ周りに配線が多くてゴチャゴチャになった。背の高い電解コンデンサの頭には気休めだがシールを貼った。


今後は配線チェック後に動作確認を行う予定。

VT-25シングルアンプ・シャーシと裏蓋の塗装

今回も金太郎飴的な記事だが備忘録なのでご了承を。塗装は外の駐車スペースで行うので、雨が降ったり風が強くて塗装のできない日が数日。ようやく風の弱い晴れた日に一気に塗装する。

シャーシと裏蓋の保護ビニールを剥がし、溶接跡やバリをリューターにつけたペーパーコーンで削った。

浴室で水をかけながら#400のペーパーで縦横斜めに傷をつける。塗装の密着性が良くなるらしいのだが定かではない。その後洗剤で油分を洗い流した。私はシリコンオフを使わない。ガスレンジで乾かした後、カットしたカレンダー紙を貼り付けて塗装準備完了。そのまま塗装待ちの状態に。

塗装に使うスプレー類。左から下地にプラサフ、本塗装にダークグレーマイカメタリック1E2、上地にクリアA-4。今回は拙VT-62シングルアンプと同じ塗色の1E2とした。これはブラックマイカと呼んでもいいくらい黒で、磨き傷が目立つために避けていた。コンパウンドシートの導入で磨きが楽になったので採用となった。

寒い時期はスプレーを30℃くらいで湯煎する。粒子が細かく出るようになる。

駐車スペースに新聞紙を敷き、養生テープで固定。シャーシと裏蓋はヨーグルトの容器で浮かせている。

塗装はプラサフを2回、本塗装を2回、上地を3回塗った。ひたすら7回繰り返した。大体1回に1時間半、7回で10.5時間といったところ。1回塗るごとに#2000のペーパーで軽く塗装面に付いたホコリを払った。

 

塗装後は20分くらい自然乾燥させ、その後赤外線ストーブで1時間くらい高温乾燥させる。塗装1回ごとに溶剤を飛ばす。乾かないまま塗り重ねると溶剤が閉じ込められていつまでも乾燥しない。

 

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最後に1時間、カレンダー紙を剥がして高温乾燥を行い、終了とした。

数日乾燥させた後に磨きを行う。

塗装が乾いたのを見計らって磨きを行う。まず塗装面についた大きめのゴミを#2000のペーパーで削った。極力ゴミの周辺部を削らないように注意した。

浴室でコンパウンドシートを使い水研ぎをする。削れてくると水に白い色がつく。時々セルローススポンジで水気を拭き取ってみると、どのくらい削れているかがわかる。

 

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塗装面が平坦になって曇った状態になったら終了。

コンパウンドの細目~極細で、縦横の直線でひたすら磨く。磨き傷がほぼ消えたらOK。

仕上げに液体コンパウンドで磨いた。最後にクルマ用のコーティング剤を塗ったら磨きは完了。

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こんな感じになった。ゆず肌は完全には消えないが、作業が大変なのと、角の下地が出てしまう危険があるので止めた。

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K.Yairi RF-65 Customのブリッジピン交換

K.Yairi RF-65 Customのブリッジピンを交換してみた。最初からついていたのはたぶんプラスチック製のもの。

交換するブリッジピンには根元の径がTraditionalタイプ(太い)、Presentationタイプ(細い)の2種類があり、ブリッジピンを抜いて径を確認する必要がある。測ってみたら約5.1mmだったのでTraditionalタイプのを購入した。

これはGRAPHTECHのPP-2182-00で、Paua貝が埋め込まれている。ブリッジピンの材質はTUSQ(人工象牙)。根元径は約5.14mm、首より下の長さは約25mmとなっている。

太くて刺さらないので削る必要がある。最初は#240のペーパーでやってみたが全然削れるようすがない。次は爪ヤスリでやってみたがやはり同様だった。結局金工用の棒ヤスリでピンを回しながら削った。

これは作業途中で左から2番目が加工前、3番目が元々使われていたもの。削っては挿して刺さり具合を確認する。ピンがブリッジの穴に当たっているところが光ってわかるので、そこを重点的に削る。1本の加工に15分~20分位かかった。

全部のピンの加工が終わったところ。まだ高さが不揃いだがこれで勘弁。削っていたら指先が痛くなってしまった。弦を張ったり緩めたりするので、交換前の弦でやると良い。

交換が終わって試し弾きしてみると、キラキラ感があって弦を新しいものに交換したよう。音量が上がったように感じる。ただし私は駄耳だし、単に気分的にそう感じるのかもしれない。交換したほうが音が良くなってくれなくては困る。というか、自分の好みの音色になってほしいから。

果たして購入価格ぶんの効果があるかは疑わしいが、元に戻すのは簡単だから大丈夫。

VT-25シングルアンプ・仮組み

VT-25シングルアンプの金属加工が終わったので、仮組みをしてパーツの干渉や接近しすぎな箇所が無いかどうか確認する。試行錯誤しながら組み立てていったので時間がかかった。シャーシの追加工は無かった。いきなり電源部の平ラグの電解コンデンサの頭がつかえたので黄銅スペーサーを10mmから7mmに変更。

 

VT-25のフィラメント電源で電解コンデンサの頭が飛び出してしまい、裏蓋につかえてしまうことがわかった。黄銅スペーサーを10mmから7mmに交換、3端子レギュレータに共締めするスペーサーは短いものが手持ちにないので7mmから5mmに短くする加工を行った。

ノギスで測りながら2mm削った。どうしても傾いて削れてしまうので、削れ具合を見ながら加工した。その結果、電解コンデンサの頭が飛び出さないようにできた。10000μF16Vを4700μF16Vの2個並列にしても良かったが、買い出しに行かないと手持ちに無い。

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パーツが付いたシャーシ内部。部分的に込み入っているので配線し難そう。特に電源トランス周り。

 

電解コンデンサの頭はぎりぎりシャーシに触れていない。電解コンデンサのケースは電極のマイナス側へ高抵抗で接続されていると考えたほうがよく、今回の場合は-C電源の最初のコンデンサなので、もしケースがシャーシ(GND)にショートした場合、-CからGNDへ微小電流が流れるだけなので問題ない。

 

真空管ソケットは配線をハンダ付けするだけなので大丈夫そう。

ソケットのピンと平ラグとはぎりぎり離れている。

画像中央の立ラグには1000μF50Vの電解コンデンサを取り付けるが、-C電源の立ラグ(右)と干渉しそう。

 

真空管を挿していつものように「観球アンプ」。6DN7はコインベースを挿してみた。VT-25はスペーサーで15mm沈めているが、まだOPTのトランスケースより高い。

 

バナナ専用SP端子は電源基板を避けるため画像のようにしたが、仕方ないけどやはり違和感がある。

 

アンプ部の平ラグ基板を作成する作業が残っている。画像のように左右ミラーにする。これは電源トランスからなるべく初段アンプ部を離そうという魂胆。

 

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シャーシ内部画像を見ていて思いついたのが、フィラメント電源をVT-25の近くに置くこと。電源トランスの左右には電源の平ラグ8Pを2枚、振り分ければ良い。これならコンデンサの過密配置にならないし、ベストだと思う。後悔先に立たず。


今後の予定はシャーシと裏蓋の塗装をするが、外の駐車スペースで作業する都合上、雨が降らなくて風の弱い日を選ばなければならない。

VT-25シングルアンプ・固定プレートの作成

OPTの固定プレートとVT-25のソケットプレートを作成する。

最初に穴開け図を作成。

t1.0mmのアルミ板に、印刷してカットした穴開け図を貼り付けてケガキ線を入れる。油性ペンで印をつけた。当初はアルミ板をカットしてから穴開けをやろうと思ったが、穴開けの後にカットすることにした。

いきなり完成したプレート。アルミ板のカットはカッターで切り込みを入れて折り取るのではなく、ピラニア鋸を使った。そうしないと板が曲がってしまうから。穴開けやカットよりバリ取りのほうが大変だった。

これで大変な金属加工が終わってホッとしている。

 

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穴開け図にプレートを重ねてみた。十字の中央に穴が開いていればOK。アルミ板のカット寸法はいい加減でも構わない。

OPTをトランスケースに入れるところ。左右チャンネルでOPTの向きが違うので、油性ペンで書いておいた(わかりにくいけど)。


ケースに入れたところ。OPTの向きを反映させるため、マスキングテープに油性ペンでLRを書き込んだ。余った配線は画像のように丸めておけばシャーシ内でぐるぐる巻きにする必要がない。

実験機を解体したので、この後は仮組みをする予定。さて、パーツの干渉なしに組めるだろうか。

VT-25シングルアンプ・シャーシ加工

VT-25シングルアンプのシャーシ加工を始めた。こういう作業は始めるまでが億劫でなかなか取り掛かれないが、一旦始めてしまうと騒音が出るから早く終わらせたいと思うものなんだね。一気にやると疲れが出るし集中力が途切れるのでミスや怪我を誘発する。だからそうなる前に作業を中止するようにしている。時間があってもできない。

シャーシは株式会社奥澤のO-45、W300mm×D170mm×H50mmでt1.5mmのアルミ。穴開け図を印刷してシャーシに貼り付け、定規とカッターでケガキ線を入れる。十字の中央をオートポンチでマーキング。

 

シャーシ加工は電源トランスの角穴から始めた。ステップドリルで丸穴を2個開け、コッピングソーの刃を差し込んでギコギコ一周くり抜く。騒音低減のため、裏側に消しゴムをガムテープで貼り付けている。

ロッカースイッチとACインレットの角穴が開いた。ロッカースイッチはノギスで測りながら13mm×19.2mmで開けた。ACインレットは角R仕様。これは四角に開けると四隅が見えてしまうため。

サークルカッターで真空管ソケット穴を開けているところ。刃のあるほうを持ち上げ気味に回すのがコツ。

後は小さな丸穴だけ。ドリル刃の1.5mmで開け、2.5mmで広げ、穴がずれていたら丸ヤスリで修正、3.2mmで広げ、以降4.5mmとステップドリルで広げていった。

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穴開けが終わったシャーシ。

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反対側。

次は裏蓋の穴を開ける。横山テクノにt1.2mmのアルミ板を298mm×166mmにカットしてもらったものを入手。シャーシと裏蓋の固定穴は曲尺で測って正確に開けた。それでもヤスリで修正が必要だった。

後はゴム足と放熱穴をボコボコ開けていった。切削屑が沢山出るのが嫌。バリ取りが済んで裏蓋の作成は終了。

金属加工はあとOPTの固定プレートとソケットプレートの作成が残っている。まあボチボチやるかあ。

VT-25シングルアンプ・レイアウト検討その2

シャーシ上面にはトランス3個と真空管が4本だから、できるレイアウトは限られる。考えた2案で検討を進める。

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これは拙VT-62シングルアンプと同じ配置でVT-25を両端に置いたレイアウト。

レイアウト図を印刷し、シャーシにトランスと真空管を並べてみる。自分としては気に入っている配置。

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次にVT-25を中央に配置したレイアウト。

 

VT-25がせり出しているのは電源トランスとの間に平ラグがあるため。

電源トランスからOPTへの誘導ハム実験。VT-25を両端に置いたレイアウト。OPTはケースに入れるため、斜めに配置する。誘導は少なめ。

試しにOPTを斜めにしないで配置してみた。それぞれのコア軸が直交するのが最も誘導が少なくなるが、画像の配置では誘導が多くなってしまう。これはコア軸の中心が直交からずれているため。

VT-25を中央に配置したレイアウト。それぞれのコア軸が直交しないため、誘導が多くなる。

このように配置できれば最も誘導が少なくなるが、OPTの固定バンドを加工しないと取り付けられない。

誘導ハム実験からはVT-25を両端に置いたレイアウトのほうが良いという結果になった。

高耐圧MOSFET

真空管アンプのリプルフィルタに使える高耐圧MOSFETを挙げてみた。基本的にソースフォロアで使うので、順伝達アドミタンス|Yfs|の高いほうがリプルフィルタの出力インピーダンスが低くなるはず。ただデータシートの条件は真空管アンプで使う100mA程度に対して数Aと大きいので、果たして実使用上同じなのかはわからない。

今回はパッケージがTO-220のフルモールドのものとした。これはシャーシやヒートシンクに固定しやすいから。

 

実際にFETリプルフィルタの出力インピーダンスを求めるには電流注入法でやるのが良い。ただ私の実験では測定電圧でインピーダンスの値が変動してしまうので、FETの相対的な出力インピーダンスの大小しかわからない。
https://onnyo01.hatenablog.com/entry//201606/article_8.html
https://onnyo01.hatenablog.com/entry//201606/article_16.html

一般的に高耐圧MOSFETVgsは3~4Vあるので、FETリプルフィルタの出力電圧を高く保ちたい場合にはFETでなくトランジスタを使う(Vtは0.6Vくらい)、小さなチョークコイルでLCフィルタを通す(FETリプルフィルタの入力のリプルを小さくする)、入力電圧を嵩上げする(ex.6.3Vを整流して加える)などの方法がある。

 

FETリプルフィルタの出力インピーダンスは数Ωで、DCから20kHzまではほぼ一定。グラフで高域が上昇しているのはゲートの発振防止抵抗によるもので、出力にコンデンサを入れることで防止できる。AC的には、+BはGNDとショートとみなせるので、ステレオで左右チャンネルを共用したり、電圧増幅段へのデカップリングを省略してもクロストークが悪化しない。

 

ご参考

 

VT-25シングルアンプ・実験機の組立と評価その2

VT-25シングルアンプ実験機は、6dBのNFBをかけた際にSP負荷オープンで0.1μF~0.22μFを接続した時に発振した。NFB抵抗に位相補正容量1000pFを追加したところ発振しなくなった。今回は位相補正容量を追加した時の諸特性を測定した。

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回路図。C6が追加した1000pF。

諸特性を測定。周波数特性での高域-3dB周波数が76kHzから69kHzになった他は変化無し。

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周波数特性の比較。

歪率特性。10kHzがすこし良くなったかなという程度。

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(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが、リンギングはあるものの発振はしなかった。

初段と出力段で歪み打ち消しがされているかの確認のため、6DN7を別の球に挿し替えたところ、殆んど変化が無かった。そこでVT-25を別の球に挿し替えて歪率特性を測定した。

2次歪みが多くなったせいか、カーブが直線状になった。110Hzが悪めなのはVT-25のrpが5kΩあるためかなあ。

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OPTをもう1つのものに交換して周波数特性を測定。

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OPTのNo.1とNo.2の比較。ほぼ同じだった。

実験機を製作したわりには問題点が少なく、このまま本番機を製作しても良いと思われる。

VT-25シングルアンプ・実験機の組立と評価

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VT-25シングルアンプの実験機を組み立てた。片チャンネルのみ、入力ボリューム無し、電源スイッチは省略とした。+B・+B1・-C・-C1は片チャンネルだと電圧が高くなってしまうため、ダミー抵抗を付けてある。

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回路の電圧を赤字で記入した。AC100Vが1.5%高いが、回路の電圧はほぼ設計どおりだった。簡単に特性をチェックし、とりあえず問題なさそうなのでNFBをかけることにし、利得が半分になるNFB抵抗値を探ったら1kΩとなった。

諸特性を上記に示す。無帰還での残留ノイズは0.18mV、NFB後は0.08mVと非常に低い。

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周波数特性。高域にすこしガタガタがあるものの、おおむねOK。

歪率特性。1kHzと10kHzは初段と出力段の歪み打ち消しがされているためか非常に低い。110Hzは位相のずれのせいかわからないが、あまり打ち消しが起きていない。VT-25のrpは5kΩと高いので、その影響かもしれない。

SP端子を負荷オープンで0.1μF~0.22μFを付けたら30kHz付近で発振した。NFB抵抗と並列に1000pFを入れると発振しなくなることがわかった。

次回は1000pFを追加して特性を再度調べるつもり。また歪率特性に関しては、他の6DN7ではどうなのか確認する予定。

 

超小型真空管アンプ

エレキのエフェクターに使うアルミケースを入手した。これはHammondの1590DDでアルミダイカスト製。Amazonで1,680円(2024年2月25日現在)だった。

サイズはW188mm×D120mm×H33mm(裏蓋を入れると37mm)で、厚さは2mmくらい。重さは525gで結構重い。いくぶん上辺がすぼまった台形をしており、上面はW186mm×D118mm。

6本の皿ネジで裏蓋を固定するようになっている。

 

 

これで真空管アンプを作ってみたらどうか。試しに拙PCL83シングルアンプ ではどうなるかやってみた。

電源トランスは春日無線変圧器のH9-0901、OPTは東栄変成器のT-1200R7Kとした。かなりタイトだがなんとか収まりそうだ。ARITO's Audio LabのSE-7K2Wでも大丈夫と思われる。

ただ3PのACインレットが電源トランスと干渉するかもしれない。電源トランスを嵩上げして逃げる手がある。あるいは2Pのメガネ型インレットはどうだろうか。最悪ゴムブッシングを噛ましてACコード直出しとすれば良い。

平ラグに電解コンデンサを立てたら内部の高さが30mm程度なのでダメかもしれない。寝かせて配置するなど考慮する必要がある。

 

VT-25シングルアンプ・平ラグ作成

当初はバラックで特性を確認するつもりでいたが、平ラグを作成し実験機を組んで確認しようと考えを変えた。

+B・+B1・-C電源の平ラグパターン。

平ラグに組んだ電源部。うひゃー詰めすぎ!

2SK3234はシャーシに取り付けて放熱させる。

 


アンプ部の平ラグパターン。

2SK30AはId=1.5mAで選別し、Vgsが近い2本を選んだ。これは半導体で左右チャンネルに利得の差が出ないようにするため。真空管は本数が限られているし、残留ノイズが少なく両チャンネルで利得が揃うように差し替える。

電解コンデンサ下の抵抗2本。実験で抵抗値の変更が生じたら面倒だ。

なお、もう1つのチャンネルは、回路のディメンジョンを決めた後に製作する。

覚え書き

2SK30A-Y Id=1.5mA VGS=-0.407V, -0.406V

1N4735A Id=1.5mA Vd=6.03V, 6.03V

 

VT-25のフィラメント電源の平ラグパターン。

平ラグに組んだフィラメント電源。底蓋につかえないように高さを48mmに抑えてある。実際に点火実験を行ったところ、片方が6.94Vと低めに出たので330Ωに33kΩを並列にしたら7.00Vとなった(右側の平ラグ)。

 

VT-25シングルアンプ・平ラグパターン作成

レイアウト検討ではエイヤーで平ラグの極数を決めてしまったけど、その極数で本当に乗るのか確認する必要がある。そこで平ラグパターンを作成することにした。

 

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現状の回路図を上記に示す。+Bが392Vで、AC100Vが103Vとかになった場合、404Vまで上がって電解コンデンサの耐圧を超えてしまう。+Bに繋がっている下流コンデンサは6DN7がヒートアップする前には+Bの電圧がかかる。なので電解コンデンサの耐圧を400Vから450Vに変更した(C11・C5)。まだ回路のディメンジョンは変わると思う。

あと+B1・-CのCRフィルタを2段から3段に変更した。これは手持ちコンデンサの活用と、残留リプルをなるべく低くしたかったため。

平ラグに乗せる+B・+B1・-C電源の回路図。

作成した電源部の平ラグパターン。2SK3234は平ラグのスペーサーに共締めする。1Pぶん足らなかったので、立ラグ小を取り付けて中継する。

アンプ部の回路図(丸で囲まれたところ)。C3のカップリングコンデンサは迷った末、平ラグパターンに入れなかった。

アンプ部の平ラグパターン。500Ωの半固定は値を決めたら固定抵抗に変更する。C3をむりやり乗せようか考え中。

 

(2024.02.24追記)

39kΩと100kΩを入れ替えてC3(0.1μF630V)のコンデンサを平ラグに乗せるように変更。

(追記ここまで)

 

VT-52のフィラメント電源の平ラグパターン。LM350Tは平ラグのスペーサーに共締めする。LM350Tはフルモールドではなく極板が露出しているタイプなので、シリコンラバーシートの他に絶縁ブッシュが必要。少量販売してくれると嬉しいのだが。

VT-25シングルアンプ・レイアウト検討

VT-25シングルアンプのレイアウト検討をしてみた。シャーシは株式会社奥澤のO-45、W300mm×D170mm×H50mm、t1.5mmのアルミを想定している。

VT-62シングルアンプを元にレイアウト検討をしたので、基本的にシンメトリー配置だ。電源トランスを端に置くオーソドックス配置はシャーシを大きくしないと入らず玉砕した。

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第1案。VT-25を端に、6DN7を中央に置くレイアウト。CRや半導体パーツの殆どを平ラグに乗せるようにした。電源トランスの周りに平ラグが集まっている。

VT-25はST-16で背が高いので、ソケットプレートを作って10mm程度沈めるようにする。

12Pの平ラグは電源部で、上下にコンデンサがはみ出るためにSP端子が置けなかったのはVT-62シングルアンプと同じ。5Pの平ラグはフィラメント電源、8Pの平ラグはアンプ部としている。

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第2案。VT-25を中央に持ってきた。こちらのほうがレイアウトが楽だった。ただVT-25のプレート配線が遠くなるのが気にかかる。

まだ検討段階なので、後々変更するかもしれない。VT-25を端に置くのか、中央に寄せるのか、実際に真空管を並べてみて判断する。

VT-25シングルアンプ・特注電源トランス

12B4Aシングルアンプが一段落したので、中断していたVT-25シングルアンプを再開することにした。当記事は年頭に上げた構想の続きとなる。今回は特注電源トランスだ。

電源トランスはいつもお世話になっている西崎電機に特注する。送った見積もりはこんなふう。
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西崎電機様
いつもお世話になっております。

伏せ型電源トランス(上下カバー付き)の見積もりを
お願いします。

1次 0-100V 50/60Hz

2次
0-320V 0.1A 32.0VA
0-115V 0.1A 11.5VA
0-8.5V 2.2A 18.7VA
0-8.5V 2.2A 18.7VA
0-6.3V 2.0A 12.6VA
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計 93.5VA

端子数:12
希望個数:1個

※負荷をかけた時の電圧で設計して下さい。
 電圧が高めに出るのは構いません。
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発注してから手元に届くまで、発注日を加えると4日で非常に早かった。どうもありがとうございます。早速テストを始めた。

届いた電源トランス。W89mm×D76mm×H72mm(シャーシ上) 重量:2.2kg ボルト間:72mm×59mm(M4) シャーシ穴:W60mm×D54mm

AC100Vを印加して2次の電圧を確認する。なぜかテスターリードを当ててもDMMがちゃんと表示せず、みのむしクリップで端子を咥えたら測定できた。電圧は高めに出ておりOK。

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/onnyo01/20240216/20240216191833_original.jpg

バラックでの実験風景。だんだん増やしていったのでゴチャゴチャ。DMMの表示はVT-25のフィラメント点火実験。

負荷ありの電圧を測定。ヒーターは6.3Vのところ6.2Vで少し低め。+Bは設計での416Vに対し428Vで少し高め。115Vは6DN7のカソードフォロア段で、負荷有りの電圧は出たとこ勝負でOKなので測らなかった。

VT-25のフィラメント電圧は7.0Vを予定している。設計どおりの電圧となった。

LM350Tの入出力電圧をオシロで表示させた。LM350Tの入力(黄色)は下限が10Vで出力(F1)が7Vとなり、入出力電位差は3Vとなった。LM350Tの最小の入出力電位差は実測で約2.6Vだったのでクリアしている。残留リプルは0.29mVだった。